<川沿いの事務所>
<RIVERSIDE OFFICE>
理化学系器具や分析機器・計測装置を扱う技術系専門商社の営業所の新築計画。岡山の中心を流れる旭川に面した敷地であり、対岸や橋など遠くからでも眺められる立地から、視認性の高い単純な形状を採用した。眺望の良い川側に大きな窓を設え、川の景色を取り込むような門型の形としている。川側の外装は木板張り、それ以外はワインレッド色の板金仕上げとしており、土手沿いから見ると木に包まれた表情となっている。1階は打合せ室と倉庫、2階は事務室、3階は会議室と研修室という配置。1階玄関から3階テラスへと登っていく階段室は全て木板張りとしており、木板に包まれながらテラスへアプローチしていく形となっている。3階はこの営業所以外のスタッフも含めた研修や福利厚生を目的とした使用を想定しており、時にはテラスで景色を楽しみながら飲食することも。
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南側からの眺め。門型形状が2段重なった外観とし、川の対岸等遠方からでも視認性の高い外観に設計。
えんじ色のスパンドレルと木板張りとすることで、企業として発信力のある外観としている。
準防火地域での木造3階建て事務所であるが、告示194号第四第一号イの構造仕様とすることで、準耐火建築物よりワンランク簡易なつくりを実現している。
南北の外壁を伸ばし防火壁とすることで、川を望む東面開口部に延焼ラインが及ばないようにしている。
外観正面のディテール。防火処理した木板を使用し防火構造としている。
2.2m張り出した防火壁と庇で囲まれた2層分のアプローチ空間。
入口右手のミーティングルーム前には植栽を配置。
アプローチ廻りのディテール。
杉板張りのエントランス空間。
右手に待合用ベンチを設置。奥にはミーティングルームやトイレ等諸室。
右手に待合用ベンチを設置。奥にはミーティングルームやトイレ等諸室。
左手に見えるのは、床色で区別されたミーティングルーム。
入口左右をフィックスガラスとし、ガラス越しに木板張りの壁が内外に連続している。
階段からエントランスを見返した様子。
2階執務室入口。手に触れる部位には木を多用し素材感を大切にしている。
2階執務室内。右手には開放的な給湯室、中央は階段室。
規則的に配列する耐力壁の先には、川の風景が連続している。
給湯室からの眺め。オープンなカウンター越しに執務室と川の景色を望む。
給湯室はオープンなスタイルとし、誰もが気軽に使用できる設えとしている。
木板張りの腰壁が上階へと続いていく。
階段室西面にはスリット窓を設置している。
1階から木板張りの腰壁が3階まで連続している。
3階ラボ入口の様子。
3階ラボにオリジナルの実験台を設置。理化学系の実験器具を商材とするこの企業の研修の場となる。
3階会議室の様子。外壁板金色にあわせた床色としている。開放的なテラスへ視線が抜ける。
3階テラスからの眺め。会議や研修後の社員の交流の場として使用を想定。
黒の床と白の壁のコントラストで、清潔感のあるトイレ空間。
3階ラボ入口前のディテール。
造園家と協働しながら植栽を計画。手前からタイサンボク、ノリウツギ、ビバーナムタムディ、ジューンベリー、アオダモ、ハクサンボク。